労働の価値 その2
--- 5-5 ---

そして、
問題がおきる。

おきたと思ったら解決される。

持ち主が自分の商品を、
いろんなものと交換する。

布の持ち主は上着やお茶と交換し、
お茶の持ち主は布や上着と交換し、
上着の持ち主はお茶や布と交換し…。

そんなことをしていると、
布も上着も、
お茶と交換される。

べつのふたつが、
同じひとつと交換される、
そんなことが起こってくる。

お茶は、
布とも上着とも交換される。

だから布と上着、
「どちらにも同じな基準」になる。

このみっつのあいだでだけ、
だが…。

こんなような、
「あれとそれとどれにも同じな基準」というのが、
ちょこっと出てきては、
消えていく。

今日はお茶、
明日は布…と、
毎日毎日、
基準になるものも入れかわる。

しかしそれでも商品は、
どんどん交換される。

すると。

< 198 / 426 >

この作品をシェア

pagetop