労働の価値 その2
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ふたつめ。

たとえば牛。

村のなかで、
ひとにあげることができるもの。

そのなかでも、
一番よく使われるもの。

それが、
そうなるのだ。

牛やひつじを飼いながら、
移動して暮らすひとたち、
こうしたひとたちのなかで、
おかねの姿ができてくる。

というのも、
このひとたちは、
移動して暮らす。

動くものしか、
「自分のもの」にならないのだ。

だから自分のものはなんでも、
あげることのできるものだ。

それに、
こうして移動して暮らすと、
しょっちゅう、
ほかの村人と出会う。

だからしょっちゅう、
交換しようとするわけだ。

人間は なんども、
奴れい、
つまり人間を、
おかねのかわりに使っている。

人間がおかねのはじまりなことは、
しょっちゅうだ。

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