労働の価値 その2
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どの商品とも同じく、
金は、
自分の「価値」の大きさは、
言うことができない。

ほかの商品と比べないと、
言うことができない。

商品の価値は、
作るのにかかった時間で決まる。

そして、
ほかのぜんぶの商品の、
決まった量であらわされる。

その、
ほかのぜんぶの商品のほうも、
同じだけの時間の「労働」がつまっている。

こんなふうに、
金の価値の大きさを比べて決めるには、
それを作るもともとのところで、
そのまま ものとものを 交換して決める。

それがおかねになって、
商品を売ったり買ったりしてひとからひとへ渡していく流れのなかに、
入っていく。

するとこのときにはもう、
「価値」は決まっている。

330年くらい前には、
おかねも商品だとわかるまで、
どんどんとおかねをこまかく調べはじめた。

それでもはじめただけだった。

むずかしいのは、
おかねも商品だとわかること、
ではない。

どうしておかねなのか、
が、
わかることだ。

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