労働の価値 その2
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ねだんは、
商品の価値が、
頭のなかだけの金に、
姿を変えたものだった。

そしてねだんは、
いまではおかねの「名前」のほうであらわされるようになった。

その「名前」というのは、
金の目盛りのお手本として、
数をかぞえるのに使われるのだ。

こうして、
2000トンの小麦は、
「10kgの金」の代わりに、
「9両3分2朱」などと言うわけだ。

こうして商品は、
おかねの名前で価値を言うようになるわけだ。

そして、
なにかある物が、
おかねでみたら変わらない、
と言うために、
おかねは量を数えるために使われる。

「数えるためのおかね」なのだ。

≪九両三分二朱はおよそ5000万円。
十両の借金の返済期限が来たというのに、九両三分二朱しかもっていない、足りない、どうしてくれよう、と言うのを「どうして九両三分二朱(くりょうさんぶにしゅ)」と、言ったとか、言わないとか。≫

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