労働の価値 その2
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同じことで、
円だの、
ドルだのポンドだのマルクだの、
と、
おかねの名前を見ても、
それで価値はどうなっているのかはわからない。

こうした「目印」にオバケじみた決まりごとがあることで、
ひとは、
わけがわからないようになっている。

おかねの名前は、
商品の価値。

つまり金属の重さ。

ということは、
おかねを計る目盛りのお手本を、
決まった数に等分する、
そういったものとなっている。

なのでますます、
わからなくなる。

しかし、
価値は、
こうした商品のいろいろの集まりに入っている、
いろいろばらばらの品々と、
べつのものになっている。

そうするために、
このわけのわからない「物」を使うようになる。

この「ひとびとのつながった姿」を使うようになる。


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