労働の価値 その2
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仕事は、
ひとびとのあいだで分担されている。

だから商品の持ち主は、
自分の仕事が、
ひとつだけになる。

ほかの物は、
作らない。

そのぶん、
ほしいものが、
いろいろになる。

だから、
彼には、
自分の作ったものは、
交換する価値、
それだけになっている。

しかし、
ほかのひとの商品の価値を測れるのは、
おかねだけだ。

だから、
彼の作ったものは、
そのままでは交換できない。

おかねに変わったそのときから、
いつでもふつうに使えるのだ。

そしておかねは、
ほかのひとの、
ポケットのなかにある。

これを、
なかから出させなければ!

そのためには、
その商品は、
ほかのひとには使いみちがなければならない。


つまり、
この商品を作るのにそそぎこまれた労働が、
ひとびとのあいだで役に立った…

…そう言えなければならないのだ。

または、
仕事の分担のひとつだと、
言えなければならないのだ。

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