労働の価値 その2
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おかねの量には、
限りがある。

おかねの「姿」には、
限りがない。

こんなふうに、
食い違っているせいで、
おかねを「かかえこもう」というひとは、
いつも、
もっとかかえこもう、
と、
働き続けることになる。

それはちょうど、
皇帝が新しい領土を得ると、
すぐ、
その先の領土がほしくなるのと、
同じことだ。


金を、
おかねとして、
しばりつけること…

…つまり、
かかえこまれたおかねの一部にすること。

このためには…

…おかねが、
流れること…

…買うための、
道具となること…

…そんなふうにして、
「楽しむ」ための、
道具になること…

…こうしたことを、
やめさせなければ、
ならないのだ。

だから、
おかねを「かかえこもう」とするひとは、
金という「オバケ様」のために、
自分ののぞみを、
あきらめる。

この男は、
のぞみを「ガマン」せよ、
という、
この「オバケ様」の命令に、
すなおに したがう。

そのとき。

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