労働の価値 その2
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しかし、
このふたつが向かいあっている姿は、
もともとはそんなに、
「平和な」ものではないようだし、
もっと「固まり」やすいものなのだ。

こういったことと同じようなものは、
商品の流れとはべつのところでも、
でてきたりする。

たとえば古代、
身分の上下での争いは、
「命じる」ほうと「シバラれる」ほうとが争う、
と、
そういうふうになっている。

このとき、
たとえばローマでは、
シバラれている町人たちの負けで、
終わっている。

町人は追い出され、
かわりに奴隷が使われた。

中世では、
領地に「シバラれ」ているものたちの、
負けだった。

このひとたちは、
豊かさのもとを失うとともに、
思うとおりにすることができなくなった。

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