労働の価値 その2
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ひとつは、
約束のつながりの長さである。

つまり、
太郎が次郎に、
払うように命じていて、
次郎は払うと約束する。

そして次郎は三郎に、
命じていて、
三郎は四郎に…。

このとき、
次郎が太郎に払うには、
三郎におかねを払わせる。

三郎が次郎に払うには、
四郎におかねを払わせる…。

そしてもうひとつが、
このときの払うしめきりまでの長さの違いだ。

払うこと、
つまりあとから1幕目を進めること。

これがつながっているようすは、
前に出てきた売り買いのつながりとは、
しくみが違う。

売り手と買い手のつながりは、
そうみえているだけではない。

おかねが流れることと、
つながっていることが、
同じなのだ。

だが、
払うことのつながりは、
払いがはじまる前に、
完成してしまっていたはずの、
ひとびとのあいだのつながりを、
あらわしている。

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