労働の価値 その2
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売り買いが、
いっぺんに、
となりあわせで進んでいくとき。

流れる速さを速くして、
おかねの量を増やしてみせることを、
むずかしくする。

反対に、
新たに、
払う道具、
おかねを少しですませようという気持ちを、
起こさせる。

同じ場所でまとまって払いがおきると、
それをうまくすませるために、
それだけのための場所と方法が、
いつのまにか、
育ってくる。

それがたとえば、
中世の「振りかえ」である。

四郎から三郎へ、
三郎から次郎へ、
次郎から太郎へ、
という、
払いの約束のつながりは、
うまくまとめて「消す」ことができる。

四郎が三郎へ300円、
三郎が次郎へ300円のとき。

三郎は、
四郎の300円を、
次郎に手渡しているだけなのだ。

だから、
三郎ぬきで、
四郎が次郎に300円払えばよい。

こんなふうに、
約束の払いの残りを、
整理してしまえばよい。

はらいが、
まとまればまとまるほど、
たくさんあればあるほどに、
それだけ、
整理したあとの残りは、
小さくなる。

だから、
おかねの量も、
少なくてすむ。

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