先生がくれたもの~運命に導かれて~
「あぁ、だが彼女の担当医はどんどん逃げてね、尾崎君もその1人だ。」
なるほど…
だから先輩が逃げたのか。
尾崎先輩はオレが知ってる数少ない優秀な医者だ。
その尾崎先輩が途中で投げ出すと言うのだからどんな患者かと思えば…
治せばこの世のものとは思えない名誉。
死なせれば大物政治家から睨まれるってわけか。
「で、君はどうするかね?」
「どうするというのは?」
「その子の治療だよ。やってみるか?」
ふっ…
オレは小さく笑う。
「勿論です。やらせて下さい。」
その為にわざわざ日本に帰ってきたのだ。
オレがこいつの面倒みてやるよ。
水無瀬瑠璃ちゃん。