先生がくれたもの~運命に導かれて~
森上響子―純―
オレと森上響子は病室を出て医務室に行った。
オレは森上響子を見た。
それにしても綺麗な姉ちゃんだな。
まぁオレには瑠璃がいるから関係ないけど。
「あの話っていうのは。」
そう言ってオレ達はソファに座った。
「先程瑠璃ちゃんのカルテを見せて貰ったのですが、その、いくら小西先生でもこれは無理じゃないでしょうか?」
森上響子の言いたい事は分かる。
瑠璃の病気は治らない病気だ。
「だとしたら?」
「だとしたらって、」
「オレは瑠璃ちゃんと約束したんです。絶対に治してやるって。オレ達の仕事はどんなに難しい患者さんに対しても全力を尽くす事でしょう?」
「そうですが。」
「なら特にその事について話し合う事は何も無いでしょう。」
「…そうですよね。すいません。こんな事。」