先生がくれたもの~運命に導かれて~
山野響子…
オレの記憶の糸は過去に遡っていく。
そして…
思い出した。
「キョコ…?」
すると森上響子は満足気に微笑んだ。
「やっと思い出した?純?」
オレは唖然として何も言えなかった。
まさか森上響子がキョコだとは、
昔の彼女と今の彼女はあまりにも違いすぎた。
そしてオレは自分の血の気が引いていくのが分かった。
まさかキョコが、山野響子とこんな所で、それもこんな形で出会うなんて。
「大丈夫?顔が真っ青よ。」
森上響子は心配と執れる言葉を口にしたが、その顔はとてもそんな風に思っていないようだった。