先生がくれたもの~運命に導かれて~
そして、とうとう病室のドアが開いた。
「先生!」
「瑠璃…」
先生はあたしに駆け寄ると強く抱き締めた。
痛いくらいに強かった。
「先生痛い。」
「ご免。」
先生はあたしを離した。
それからあたしはどうしたらいいのか分からなくなった。
先生…
今にも溢れ流れそうな涙を目に溜めている先生を前に、あたしは何もする事が出来なかった。
「…」
「…」
何だかあたしも泣きそうになってきた。
辛かった。
部屋中に満ちている重苦しい空気は耐え難かった。
だからあたし言った。