先生がくれたもの~運命に導かれて~
そんな改まった言い方しないでよ。
なんか悪い知らせが聞こえてきそうじゃない。
「誰から聞いたかは知らないけどな、その話は本当だ。」
「嘘!」
「本当だ。」
「嘘、だってパパは!」
「瑠璃、パパな…この前落選したんだ。」
「え?」
“落選”?
「…そんなの、エープリルフールに言ってよ。」
「本当なんだ。それでな、紀香がショックで寝込んでしまって、」
「ママが?!」
「あぁ。それで、…もうパパには力が無いんだ。」
「だからあたしは病院代わらないといけないの?もう院長はパパの言う事聞かないから。」
「そういう事だ。」
「…」
「すまない瑠璃、本当に」
「パパ、」
「何だ?」
「ママのことよろしく。」
あたしはそう言うと、パパの返事を聞く前に受話器を元に戻した。