先生がくれたもの~運命に導かれて~
消えゆく全て―瑠璃―
それは突然の出来事だった。
あたしは退屈に外を眺めていた。
もうすぐこの病院もお別れか…
このベッドもこの景色も
小百合お姉さんも、
先生も
悲しかった。
そして
怖かった。
これから待っているのは先生のいない空虚な毎日。
もし手術で体が正常になったとしても、あたしは耐えられるのだろうか?
そんな真っ暗な闇の世界に。
そんな事を思っていた。
すると、ガラッと病室のドアが開いた。
検査じゃない時間に。
先生?
あたしはそう思ってパッとドアの方を見た。
けど現れたのは…
院長先生だった。