先生がくれたもの~運命に導かれて~
あたしはそう言って受話器を持ったまま泣き崩れた。
そんなあたしを電話から聞こえてくる声が優しく包み込む。
「ご、免ね、いき、なりで、あたし、えっと…」
「オレの方こそご免な、急に電話かけて。」
「ううん、でも、…どうしたの?」
「新しい病院を見つけたんだ。」
「え?」
「あの、瑠璃はあの病院に追い出されただろ?だから、」
「先生?」
「うん?」
「あたしの為に、新しい病院見つけてくれたの?」
「あぁ、そういう事だけど。」
「…ありがとう。」
「そんなお礼言われるような事じゃねぇよ。だいたい、院長を止められなかったのはオレなんだから。それに、オレはお前の大切な人だから。」
嬉しくて嬉しくてたまらなかった。
先生に愛されてるって改めて実感した。
それだけで
寿命が延びていく気がした。