先生がくれたもの~運命に導かれて~
それから、先生があたしの実家に来る事になった。
先生が来るというだけで家は大騒ぎだった。
お父さんの事があってからこの家への人の出入りはパッタリと途絶えた。
だから掃除はおろか片付けさえしていないこの家はゴミ屋敷寸前といっても過言ではなかったぐらいだ。
それが予期せぬお客様のご登場に慌てたというのは、説明もいらない程簡単な事だろう。
片付けはあたしも手伝った。
先生が来るなら尚更。
あたしは自分の部屋の片付けを必死になってやった。
普段なら発作を起こすかもしれないとヒヤヒヤする所だが、今だけはそんな事気にならなかった。
そして、約束の時刻。
秒針が天井を指すと共に、インターホンがなった。