先生がくれたもの~運命に導かれて~


「水無瀬さん…」


「お恥ずかしい事に、今の私達には瑠璃を助けてやる事は出来ないんです。本当に情けない父親です。」


「そんな事、」


「本当にそうです。それで、あなたに押し付けるのも変な話ですが、瑠璃のことを支えてやって下さい。」


「勿論。全力を尽くします。」


「いろんな意味で。」


「あの、それはどういう意味で?」


「瑠璃はあなたに惚れてるみたいなんです。」





お父さん…?


「最近、勿論体の事もあったのですが、瑠璃は元気が全くなかったんです。だけど、あなたが来ると知った瞬間に今までに無い程元気になったんですよ。退院するまでもここ最近調子が良かったみたいですし。あなたのおかげのようです。」


「水無瀬さん、あの、」


「言って下さい。」


「あの、実は私、瑠璃さんとお付き合いさせていただいてます。」


刹那、奇妙な沈黙が流れた。


あたしは身を固くした。


お父さんはあたしの気持ちに気付いていた。


そして、先生はあたしとの関係をお父さんに話した。


あたしは怖かった。


先生と引き離される気がしてならなかった。


あたしは思わず目を閉じた。


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