先生がくれたもの~運命に導かれて~


「瑠璃さんが入院される病院は、この前いた病院のように大きくありません。だから…正直に申し上げますと手術をする事は不可能です。」


「どうしても無理か?」


「はい。瑠璃さんの手術には、大きな病院にしないような機械を必要とします。ですが、大きな病院には全部断られました。」


「そうか。全く最近の病院は。それで?」


「はい。それで瑠璃さんの入院される病院は、田舎にある小さな病院です。機械などは揃っていませんが、今ここで何の治療も受けられないよりは長く生きられると思います。」


「そうか。私も気になってたんだ。瑠璃はこのままで良いのかと。そこは良い所なのか?」


「はい。病院の横には、これから夏に向けてたくさんの百合が咲くそうです。」


百合…


あたしの大好きな花。


「それは瑠璃は百合が好きだから選んでくれたのか?。」


「はい。小さな病院に入院するなら出来るだけ環境の良い所と思いまして。瑠璃さんが百合の花が好きな事も知っていましたし。」


先生覚えてくれたんだね。


先生、大好き。


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