先生がくれたもの~運命に導かれて~
「先生?」
「瑠璃、ご免、」
先生はそう言って道の邪魔にならない所に車を止めた。
「先生、どうしたの?」
「オレ、約束守れねぇ。」
「え?」
「もう、瑠璃のこと助けてやれなく、なっちまった。」
そうだった。
あたし、もう手術も出来ない。
あたし、死ぬんだ。
あと、1ヶ月ももたない。
「うん。」
「ご免な。」
「先生は悪くないよ。」
「否、オレのせいだ。」
「違うよ。あたしの病気は元々治らない病気だもん。」
「でも治った人だっているだろ?」
「…」
「それに、さっきも言ったけど、オレは瑠璃を治す為に日本に来た。だから…」