先生がくれたもの~運命に導かれて~
疾走―純―
はぁ…
何やってんだオレ。
あそこで瑠璃を突き放した理由が自分でも分からなかった。
今の瑠璃は死を目前にして精神不安定だって分かってたのに…
オレは病室を出る直前の瑠璃の顔を思い出す。
『行かないで』
そう顔に書いてあった。
なのに…
足を止めなかったのは何故だ?
オレはふと窓から見える百合を見た。
瑠璃の好きな花…
オレはあの花を幾つか摘んで瑠璃に渡そうと思った。
オレは立ち上がり、それを実行しようとした。