先生がくれたもの~運命に導かれて~
オレは病院の周りを駆けずり回った。
それこそ秘宝でも捜すかのように。
だが、そんな悠長な事も言ってられない。
オレのせいだ。
瑠璃を見放したオレが悪いんだ。
「瑠璃ー!!」
オレは力の限り叫んだ。
だが、瑠璃の声は聞こえない。
オレはまた走った。
外は夕暮れの真っ直中、茜色した空を見て、子供が帰るような時間だ。
家に帰ってる子供の姿を見て、オレは願った。
瑠璃が病院に戻ってますように。
オレはそう願い、一旦病院に引き返す事にした。