先生がくれたもの~運命に導かれて~


あたしは先生と病院の外に出た。


「ねぇ先生、この辺に教会ってあるの?」


「教会って建物はないけどな。」


「え?でもさっき教会って言ったじゃん。」


「…別に建物じゃなくても、そこで誓いたてたらそこが教会なんだぞ。」


「絶対違うと思うよ。」


「それでいいんだよ。」


それから先生はあたしの手を引っ張って百合畑に入って行った。


ただでさえウェディングドレスで歩きにくいっていうのに、もっと歩きにくくなった。


だから先生はゆっくりと進んでくれた。


そして


「ここ。」


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