先生がくれたもの~運命に導かれて~
「先生…」
「ん?」
オレは瑠璃を離した。
「最後に確かめられて良かった。」
「…」
「あたしが好きな人が先生だって分かって良かった。」
「…」
「先生さ、さっきあたしに『出会う為に生まれてきた最愛の人』って言ってくれたよね?」
「あぁ。」
「あたしもそうなんだよね。」
瑠璃は語尾を上げずに言った。
「そうだよ。」
「だよね?ありがとう。」
「どういたしまして。」
「うん…帰ろ?」
「疲れた?」
「ちょっとね。」
「じゃあ戻るか。」
そう言ってオレは車椅子を押し始めた。