先生がくれたもの~運命に導かれて~


それからオレ達は病室を出た。


さっきから気持ちが優しくなったせいか、車椅子を押すオレの手も優しくなっていた。


「何処行きたい?」


オレはそう問いかけた。


口調は自分でも驚く程穏やかだった。


「庭!」


「庭か。花とか綺麗だもんな。」


水無瀬瑠璃の要望でオレは庭に向かった。


まるで初めて遊園地に行く子供みたいにな水無瀬瑠璃を連れて。


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