その瞳に…魅せられて ~番外編~
「どうして私の事。疑うの!
どうして自分ばっかりって顔するのよ!
私だって…私だって!
辛い事はたくさんあったよ!
ジキルさんを見る女の人たちの目に
嫉妬だってした!でも、我慢してたのに!!」
下唇を噛み締めるルアンに…
ジキルは目を見開くばかりだった。
「ルアン…」
「私はそれでも、ジキルさんが好きだから。
信じてるから!!見てみない振りしてた!
けど…ジキルさんは?
私の事信じてくれた?
ちゃんと信じてくれてた?」
ぽろぽろと溢れ出したルアンの涙に…
ジキルは最早、何も言えなくなっていた。
「私の事疑うだけだったでしょ?
自分ばっかりって…
思うだけだったんでしょう?
あんまりだよ!そんなの!!
……あんまりだよ…」
小さくなったルアンの声…。
ルアンはジキルを睨む事を止めない。