リビング
その場にいた全員から蹴り回され、傷つけられ、少女は身も心も砕けちったガラスのようになっていた。


痛い…。助けて…。もう嫌……。


少女への集団いじめは今日が初めてではなかった。
三年生になってからというもの、毎日のように悪質ないじめを受けていた。

彼女の持ち物が落書きや痛々しい縫い目で染められているのが何よりの証拠。

窓から差し込む太陽が少女への悪口が書きなぐられた少女本人の机にあたっていた。


多数の悪口に囲まれてど真ん中に赤色で『真紀死ね』と書かれているのがやけに目立つ。


放課後の教室。
灰色の少女と苦しい光。
少女しかいない静かな教室。
捨てられた人形のように虚しく座り込んでいる少女。


太陽の光に包まれた時、少女の口元が微かに微笑んだ。
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