リビング
このクラス、三年二組には何席か空いている席があった。
空席となっている3つは、俗に言われる不良生徒の席。


彼らは授業など受けずに、屋上やら校舎裏など教師の目につきにくい所で集まって時間を潰しているのだった。
他の二クラスの不良達も一緒に群れをなして行動している。

一人の腕を枕にして寝ていた男子生徒がふと窓の外を見た。

短ランを着た赤毛の生徒が一つ、コーラの缶を持って走っていた。
この赤毛は隣のクラスの不良生徒、荒川優だ。

足が早いのが長所である優は、尊敬している同期の生徒、宮坂翔のパシり役を自らかってでていた。

そして手に持っていたコーラは、翔から下されたお使いに違いない、と男子生徒は思い、また眠りについた。
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