遠くから来た男の子
球体は、ジャンとリズとカルロをやさしく包み込み、あっという間に空高く浮かび上がりました。

さきほどの大きなブナの木が眼下に見え、まるできのこのように見えます。


「うわーすごい!私たち空の上にいるよ」


遠くには、うっすらと町並みが見えました。『ずいぶん遠くまできていたんだな』と、2人は思いました。


カルロは興奮して球体の底をひっかきます。
「やめろよカルロ!破れちゃうよ」

球体は、森の上空を進むと川の真上でゆっくりと停止しました。


「ジャン、見て、川に子供がいるわ」

その子供は、中州からこちらを見上げていたのでした。金髪に日の光と水が反射し、周りはキラキラと輝いてみえました。

「この辺では見かけない子ね」と、リズが言いました。
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