遠くから来た男の子

男の子との出会い

2人が勇気をふりしぼってノックをすると、ギーと重いドアが開き、中から男の子が現れました。

「やあ、いらっしゃい」
と、男の子は、まるで二人を待っていたようでした。

「さっき川にいた子じゃない?」
と、リズがふしぎそうにジャンに耳打ちしました。
 

玄関を入ると、天井の高い吹き抜けがあり、立派な装飾をした手すりの階段が目に飛び込んできました。階段の下の大きな月時計の横を通り、通されたリビングのテーブルには、おいしそうなケーキが人数分用意されていました。

「そろそろ来る頃と思ってました。お疲れでしょう。どうぞ召し上がれ」
と、男の子はやさしく言いました。

「僕たちが来ることを知っていたのかな」
と、ジャンは奇妙に思いましたが

リズにうながされ、目の前のケーキがあまりに美味しそうなので、テーブルにつきました。
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