遠くから来た男の子
翌朝、お母さんが仕事に出かけると、レムは、さっそく家を飛び出しました。

「おい、おれも行くぜ」
と、カルロもあとをついてきました。

「いつから犬ってしゃべれたの?」
と、レムが聞くと。

「いつからだって?ジョーダンよせよ。石器時代に狩りの仕方と言葉を人間に教えたのは、おれら犬だぜ」と、得意げに言いました。

あまりに生意気なので、レムは、犬の鼻面でも軽く叩いてやろうと思いましたがやめました。昨日のできごとがあってから、地球や人間を中心に考えるのは、やめようと思ったからです。

今のレムには何でもありうるのです。 

待ち合わせ場所に、ジャンとリズはもう来ていました。今日はトーテもいます。
みんな、ワクワクして早く着きすぎてしまいました。

迎えの小型船が来るまでの間、アルファベットの落ちていそうな所はどこか、どのように手分けして探すかを話しました。

「僕は、男の子といっしょに、川の近くに行ってみるよ」とジャン。

「私たちは、レムが破へんをひろった辺りをくまなく探すわ」

そこへ小型船が迎えに来て、男の子のいる川岸までみんなを送ってくれました。
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