遠くから来た男の子
「大切な角と、同じくらい価値のある物って何かしら・・・自分だったら何と交換するかしら」と、レムは考えました。  
 
 さて、3人が川につくと、鹿が十数頭集まっていました。しばらく様子を見ていると、月明かりにキラリと何かが光りました。群の中に、銀色に輝く角をした鹿がいたのです。

「あれよ。間違いないわ。ああ、予想は大はずれで、破へんはPでもCでもないわ!」と、リズが言うと、男の子もうなずき、鹿の群にむかって歩きだしました。

「おい、丘の上の少年が、わしらに用があるらしいぞ」
と、年老いた鹿が言いました。

鹿たちは水を飲むのをやめ、いっせいにこちらを見ました。
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