遠くから来た男の子
大男は街の共同墓地にひっそりと埋葬されました。

ひとりぼっちになった男の子は、
毎日大男のお墓を訪れては日が暮れるまで泣いていました。

可哀想に、輝いていた瞳は落ちくぼみ、小さな体はますます小さく見えました。

大人たちは男の子の様子が気にはなりましたが、
見て見ぬふりをしていたのでした。

時がたち、大男を死なせた事は、いつしか誰もが記憶の奥へやり、
話さないようになっていきました。
< 5 / 58 >

この作品をシェア

pagetop