遠くから来た男の子
初め、お父さんは、どこかの子供が森で遊んでいるんだろうと思いましたが、

何ともいえない不思議な姿にすっかり魅入られ、まったく動けなくなってしまいました。

そしてハッと思いました。

この男の子は自分が子供の頃見たことがあると気づいたのです。

男の子は昔と少しも変わらない姿のままでした。

男の子はしばらく木のかげからお父さんを見ていましたが、やがて森の奥へと消えてしまいました。

姿が見えなくなるまで、お父さんは腰がぬけたようになっていたそうです。
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