【短】さ く ら Ⅲ~思い出すのはキミのこと~


「人気No.1のイケメンカメラマンに女の影がないのはそういうことか…。」


「は?」


「お前も自分で分かってるだろ、女ウケ良いこと。みんな言ってるぞ、日本に婚約者でもいるんじゃないかって。」


「…いねーし。」


「…いるようなもんだろ。」


「…まぁ。」


「っつか大丈夫なわけ?」


「何が?」


「そんな大事な女が別の男と結婚すんとこなんか見に行って。オレなら絶対行かないぜ?」


「…大丈夫じゃないかもな。」


「お前なぁ…。」


「でも…約束、したからさ。」


「約束?」


「そっ約束。……お前、今晩はオレに付き合えよ。」


なんだかこいつに、リュウに話を聞いて欲しくなって、だから話すことにした。

亜由のことを。

…もしかしたらずっと、誰かに聞いて欲しかったのかもしれない。


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