生きる意味
「ごめんね、なんか」


柚は満足したのか、すくっと立ち上がり、出入口へと歩き出した。


「柚」

「…何?」

「死のうとすんじゃねぇよ」

「……何で分かったの?」


柚は顔をこちらには向けずに返事をした。


「勘」

「…なんか、輝らしいね」

「勘だけは、昔から冴えてっからな」


俺は少し、自慢気に言ってやった。
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