生きる意味
「おいっ!?」


俺は仕方なく、ベンチの本を手に取った。しおりを見つけ出し、そこを開いた。


「……バカか、あいつ」


読んだ瞬間、思わず笑みがこぼれた。


「俺はホモじゃねぇっつーの」


笑みと同時に、目から涙が零れた。




“輝、大好きだよ”




手書きの文に、俺は声を押し殺して、泣いた。


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