キミと僕の記憶
「よく知ってるねぇ!」
先に紗絵子が声を上げた。
「――何で知ってるのよ」
話したくない相手だけど仕方ない。
仁科は嬉しそうに笑った。
何故か紗絵子に向かい合う。
「加藤さん、美月ちゃんはね、内緒だけど前世で僕の恋人だったんだよね」
な!?またバカなコトを!
「へ?」
紗絵子が目を丸くする。
「だーかーら、あんたいい加減にしてくんない?」
怒り心頭で私は仁科を睨む。
「美月ちゃん、覚えてないのは残念だけどコレ真面目な話だから。泳げないのだって前世に理由があるんだな」
「へぇ、そうなんだ」
オイオイ紗絵子さん…
急に納得する紗絵子にズルッと突っ込む。
どんなボケですか…
.