キミと僕の記憶


「僕達はね、理由ははっきりしないけど結ばれることはなかった。
多分前世の美月ちゃんはそれで世を儚んだのか、泳げないのに流れの速い川に飛び込んだ。
僕はそれを助けようとしたけど、結局2人とも助からなかったみたいだ」





は?




仁科はいきなりスラスラと良くできた作り話をし出した。



「す、凄い!!仁科くん、霊感あるんだ!?前世の記憶があるなんて……」


紗絵子が完全にそれに乗せられている。



そーいえば紗絵子はこういう霊とかオーラとかスピリチュアルを信じてるヒトだった……



私は全く信じていない。


そんなことより、嘘に決まっているこんな話を、一体何の目的でするのかが気になった。



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