キミと僕の記憶
「「麻木センパイ、お久しぶりです!」」
私と紗絵子が同時に話掛けた。
振り向いたセンパイはすでに笑顔満面。
「おまえら〜、やっと来たか〜!待ってたぞ」
センパイは私達の頭を両手でくしゃくしゃと撫でた。
「麻木、その子ら後輩?入部希望者なの?」
センパイの後ろからひょい、と女の人が顔を出す。
話し方からして、センパイと同じ3年生らしい。
「「ハイ!よろしくお願いします!」」
またも声が揃う。
でもその女のセンパイはにこりともしなかった。
「そ、私は女子キャプテンの芹沢よ。女子はあっちでミーティングを始めるから集まって」
それだけ言うとさっさと歩いて行ってしまう。
慌てて私達は後についた。
「芹沢は怖えーぞー!しっかりな〜」
センパイの大声が背中に聞こえた。
そんな反応しずらい励ましは止めて欲しい……
.