キミと僕の記憶



「―――……あの、南中出身の藤井美月です。中学では選手ではなく、マネージャーでした。なので……お、よげません……」



ビクビクしながら言い切ると、チラリと上目使いで芹沢キャプテンを見た。



カッと見開かれた両目が私を睨んでいる。




ギャー!!




「あなた……勧誘会で麻木が言ったこと、まさか真に受けてるの!?ここはスイミングスクールじゃないのよ?
マネージャーをやってた?
だからここでもやるって言うの?
あいにくうちにマネージャーは存在したことないの!」






とげとげしく言い放たれる叱責に、絶望感と恥ずかしさで私は下を向いて涙ぐんだ。





しーんと静まり返っているプールに、いたたまれなくなり走り去ろうとした。


その時



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