キミと僕の記憶






「美月ちゃん、水泳部って朝練もあるの?」



入部してから1ヶ月が経った頃



朝のHRが終わると仁科が話しかけていた。



入学式直後には、前世がどーのとバカなことを言っていたけど、最近は静かだ。


クラスでも何かと騒がしく雰囲気を明るくしてくれるヤツなので、今ではあまり邪険にしていない。



「ん?ないけど?」



「え?じゃ何で朝からプール近くの草むしりしてたの?」



「あぁ、そろそろ水を張る時期で放課後は大掃除だから、朝のうちに終わらせなきゃダメで―――

って何で知ってるのよ?」



プールは校舎裏にあるから普通は用がないと近づかない。



「え゛?イヤーはは!ストーカー?」




キモッ!
やっぱキモイよ仁科…


私はじと〜と無言で訴えた。



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