キミと僕の記憶




「でもさ、草むしりや大掃除なんて、いくら美月ちゃんがマネージャーだからって皆でやるもんじゃないの?」



それは私も不満に思ってたことなんだけど――


「仕方ないよ、私それくらいしか部に貢献出来ないし。」





「うーん…美月ちゃんがいいならいいけど…」



何となく仁科には庇われたくなくて嘯いておく。



芹沢キャプテンの影の横暴に、麻木センパイが気づいてくれれば――


それまではひたすら言われるがまま耐えることにしていた。





とりあえず大掃除はかなりの重労働だ。




放課後になると紗絵子は申し訳なさそうに室内プールへ向かった。


それを見届けると私はジャージに着替え、両手足をまくり上げた。



.
< 31 / 74 >

この作品をシェア

pagetop