キミと僕の記憶



仁科はちょっと悲しそうな笑みを浮かべた。




「プールなんて余計に気になるんだよ。
今はまだ水を溜めてなくても、落ちたら溺れなくても逆にケガするだろ?
あそこは美月ちゃんにとって鬼門だよ」




「なっ、なになに、また仁科くんの霊感?」



紗絵子が割って来た。


ちょっと〜
暫く静かかと思えば
蒸し返す気?




「いや、オレ霊感ないよ?
鬼門って…そーいうイミじゃなくてぇ〜、
美月ちゃんにはよくないことがあるって言葉のあやでサ。」




根拠もなくよくもそんなこと断言するなぁ…


「バカみたい。
仁科の言うことなんて嘘ばっかじゃん!
現に今までそんなことなかったもん!
もう放っといて。」



そんなことより、プール掃除をどうするかが問題だ。



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