キミと僕の記憶






放課後のプールサイドは異様な空気に包まれていた。



ここにやって来ただけでも自分を褒めたい気分だ。



朝までは少なくとも敵は1人だった筈なのに、
私はいま3年の先輩方に囲まれ
まさに血祭りに上げられている。




男子が恐れをなして遠巻きに見ているけど、その中に麻木センパイの姿は無かった。



「―――麻木なら当分来ないよ」



私の視線を目ざとく見つけたのか、芹沢キャプテンが冷たく言い放った。

その確信に満ちた言い方に、私は目を見開いて地面を見つめた。




麻木センパイが来れないように何か仕掛けている?



ううん……
最初から私(達)を麻木センパイに近づけないようにしていた―――?



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