キミと僕の記憶


「やる気が無いなら来ないでって言ったよね?」


芹沢キャプテンは……
他の先輩方も……



新入生の私が麻木センパイと親しげなのが気に入らないんだ。



特に芹沢キャプテンは、
多分センパイのこと…好きなんだ……



嫉妬と嫌悪が最高潮に達しているに違いない、トゲトゲしい声だった。



私はこの場を丸く収めるべく、ただひたすら頭を下げる。




「――――すみませんでした!」




下げた後頭部にはいくつもの見下ろす視線が突き刺さってくる。



誰も口を開いてくれなかった。



「――すぐに掃除を始めます!」



私は一方的に宣言すると、先輩方を見ないように移動し掃除道具を手にした。



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