キミと僕の記憶



そして私は
幻を見た。


どうして幻だと分かるかって……
だって苦しくて
もう目を開けていられなかったから。



暗い瞼の裏側に
少年が見えた。



私の手を必死にたぐり寄せる
あの少年は……誰?





バタバタもがいても足が底につくわけでもなく。
水か空気かさえ分からない何かを蹴る。
でも何にもぶつからない。

麻木センパイ…
苦しい…です…助けて



助けを求めたのは、やっぱりセンパイだった。




.
< 48 / 74 >

この作品をシェア

pagetop