キミと僕の記憶


夕暮れの窓に私のジャージと仁科の学ランがハタハタ風に揺れた。



おかげでカラリとした私は、さっぱりしてベッドに横になる。



その私の横に椅子を引っ張って来た仁科が座り、特に言葉を交わすでもなく、お互いの目をじっと見ていた。



コイツって一体何者なんだろう?
あんなタイミングで現れて、また物影から私を見ていたんだろうか?
只の悪ふざけでも、気持ち悪いストーカーでもなくて

まるで見守るように。



どうしてなの?



理由が知りたい。



どうしてそんな真面目な顔で、私を見るのか……



「――やっぱり、先生呼んで来ようか」


夕焼けに顔を紅く染めた仁科が椅子を回転させた。

私はそのTシャツの背中を引っ張った。



「ダメだよ……
何でこんなことになったか絶対聞かれる……
バレたら大ゴトになるし、水泳部が活動休止なんて事になったら
――麻木センパイに迷惑かけちゃう」



それは事実だけど言い訳で。


仁科とちゃんと話したかったんだ。



でも何故か
振り返った仁科の顔は不機嫌に眉を寄せていた。



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