キミと僕の記憶
?
どうしたの?
急に怒ったみたいにそんな顔して。
「何だソレ」
先に仁科が聞いて来た。
「仁科こそ何なの?」
何故か今度はにらみ合うハメになる私達。
仁科はドンっと回転椅子に再び座った。
そのまま腕を組み、反り返って私を見下ろす。
「聞きたくないね
んな、ナントカ先輩なんて名前は
今物凄く聞きたくない」
はい?
私は目をパチクリさせた。
「そのナントカ先輩は、美月ちゃんがこんな目に合ってるなんて夢にも思ってないと思うね!
今日だって部活に来なかったし……
自分のせいで鬼みてーな女キャプテン達が後輩をいじめてるなんて、あのニブそうな男が気づくワケ無いワ」
「ちょッ……
何でそこで麻木センパイの悪口が始まるのよ?
私でさえ、センパイが良くしてくれることがキャプテン達の気に障るんだって、今日やっと気づいたんだよ?
それに部活に来られないように、何か仕掛けられたみたいで……
センパイは悪くないって言うか」
私が必死にセンパイの肩を持つと、ボスッと布団の空間に仁科がこぶしを落とした。
なんなの……よ
「聞きたくないんだって」
もう、完全に睨むように
ガンつけてるとしか言いようのない怖い目線で。
仁科がゆっくり私に近づいた。
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